M・デムーロが語るドゥラメンテ「今まで乗った中で一番強い」

  • 新山藍朗●構成 text by Niiyama Airo

ミルコ・デムーロ騎手インタビュー(前編)

今年3月にJRA(日本中央競馬会)の騎手免許を取得したミルコ・デムーロ騎手(36歳)。それまでにも短期免許を取得して大いに活躍してきたが、日本にしっかりと腰を据えることで、その実力を遺憾なく発揮している。今春には、皐月賞、日本ダービーと牡馬クラシックの二冠を達成。勝利数はおよそ7カ月で80勝を突破した。この秋もさらなる飛躍が期待される"名ジョッキー"に、まずはここまでの奮闘ぶりについて振り返ってもらった――。

今春、ドゥラメンテに騎乗して牡馬クラシック二冠を遂げたM・デムーロ騎手。photo by Kyodo News 今春、ドゥラメンテに騎乗して牡馬クラシック二冠を遂げたM・デムーロ騎手。photo by Kyodo News ――JRAのジョッキーになったのが、今年の3月1日。勝ち星は80勝を超えて、重賞も7回制しています。「さすが」という感じですが、当初からこれくらいは勝てると思っていましたか。

「周囲のみんなは、ボクがJRAの騎手になったら『100回は勝てるよ』って言っていたけど、ボク自身は勝ち星のことなんてまったく考えていなかった。毎週、毎週、『いっぱい勝ちたい』『いっぱいいい馬に乗りたい』と思っていただけ。そういう意味では、こんなにいい成績が残せて、とてもうれしいよ。重賞もいっぱい勝ったし、GIも勝ったし。ほんと、すごいよ(笑)」

――短期免許で来日していた頃と、JRAの騎手になった今とでは、何か違いはありますか。

「(短期免許で来ていたときは)3カ月だけだったから、いい馬と出会っても、チャンスはほとんど1回しかなかった。レースに出て2着に負けると、もう次に(リベンジする)チャンスはありません。でも今は、たとえ1回失敗したとしても、まだチャンスが残っている。そこが、すごく違う。今は(気持ちに)余裕を持って乗れています。それが、いい結果につながっているのかもね」

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