【競馬】この秋、春のリベンジ狙う「無冠の女王」ルージュバック
逆襲の秋(2)
3歳牝馬編
3歳牝馬の春のクラシック。常に話題の中心にいたのは、ルージュバックだった。
春のクラシックでは圧倒的な支持を得ながら、無冠に終わったルージュバック。 デビューから、牡馬相手に3戦3勝。それも、2戦目の百日草特別(2014年11月9日/東京・芝2000m)、3戦目の重賞きさらぎ賞(2月8日/京都・芝1800m)では、ベルーフ(牡3歳)、ミュゼエイリアン(牡3歳)、ポルトドートウィユ(牡3歳)など、重賞級の馬たちをあっさりと蹴散らしてきた。
これを受けて、早くから「秋には凱旋門賞挑戦」という話題が上がり、当然のことながら、牝馬クラシックの桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)、オークス(5月24日/東京・芝2400m)では、1番人気に支持された。
しかし、ふたを開けてみれば、桜花賞はスローペースに翻弄された。先手を奪ったレッツゴードンキの逃げ切りをまんまと許して、自身はまさかの9着惨敗を喫した。そして、巻き返しが期待されたオークスでも、ミッキークイーンとの真っ向勝負に敗れて2着。戦前の期待を裏切って、春シーズンを終えた。
この秋、そんなルージュバックの"逆襲"が見込まれたが、復帰戦として予定されていた札幌記念(8月23日/札幌・芝2000m)を熱発によって回避。必然的に凱旋門賞挑戦はもちろん、秋のローテーションも白紙となってしまった。
春の二冠にとどまらず、ここまでリズムが悪くなってしまうと、さすがにそれを元に戻すのは簡単なことではない。3歳牝馬三冠の最後の一冠、秋華賞(10月18日/京都・芝2000m)参戦も、微妙な状況にある。
実際、陣営は復帰について慎重な姿勢を崩さないでいる。が、それは逆に言えば、陣営がそれだけルージュバックの素質を高く買っている証拠でもある。持っているポテンシャルからすれば、復帰した瞬間、この逆境を跳ね返す活躍を見せても不思議ではない。
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