【競馬】あのヘヴンリーロマンスが送り出す「大物」ラニ、始動 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

「ラニが初めて強い調教をやったとき、調教が終わっても、息の乱れが少なかったんですね。それだけ心臓が強いというか、心肺機能が優れているのだと思います。育成中はへこたれることもなく、体の強さが印象的でした」

 なお、母のヘヴンリーロマンスは、2010年からアメリカで繁殖生活を送っており、ラニや先述のアムールブリエは、アメリカで生まれた“外国産馬”となる。そして、ラニの父であるタピットは、2014年の北米リーディングサイアーに輝いた人気種牡馬。日本でも、テスタマッタ(2012年GIフェブラリーS優勝)や、ゴールデンバローズ(牡3歳)などの活躍馬が出ている。この父母の組み合わせも、注目すべき点だろう。

 ただ、タピット産駒が良績を残しているのは、ほとんどがダート戦。また、姉のアムールブリエをはじめ、ヘヴンリーロマンスの子も、ダートを主戦にしている馬が少なくない。となると、ラニもダートでこそ強い可能性がある。

 この点について、齋藤氏は「今の時点では、(ラニに関しては)芝の長い距離が合いそうな印象を持っています」と、自身の考えを口にした。

 何はともあれ、芝で初戦を迎えるラニ。デビュー戦では、武豊騎手を鞍上に迎えて必勝を期す。はたして、母のように、ファンの記憶に残る走りを見せられるのか。まずは、間近に迫った初陣に注目である。

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