【競馬】細江純子が語るダービー「最後は『執念』で決まるレース」 (4ページ目)

  • スポルティーバ編集部●構成 text by Sportiva
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 また、競馬関係者にとっては、ダービーが大晦日みたいなもので、ここで1年の区切りがつく、みたいなところがあります。次の週から新しい1年が始まる。「ダービーが終わるまでは、2歳馬の調教に騎乗しない」と決めている騎手もいるくらいですから。ダービーが終わって、やっとすべてがリセットされるんです。

 さて、今年のダービーに話を変えましょう。今年のレースも語り継がれるような伝説のダービー馬が生まれるかもしれません。その最有力候補だと思うのが、皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)を勝ったドゥラメンテ(父キングカメハメハ・堀宣行厩舎)です。

 皐月賞は抜け出すときに後続に少し迷惑をかける形にこそなりましたが(※)、あの爆発力は申し分ありません。しなやかで柔らかい筋肉の体つきも2400mで素晴らしく活きると思います。
※ミルコ・デムーロ騎手は4角で急に外斜行し、ベルラップ、ダノンプラチナ、タガノエスプレッソの走行を妨害。4月25日から5月3日まで、開催日4日間の騎乗停止処分に

 実はあの馬、皐月賞の前まではあんまり体を上手に使えていなかったと思うんです。それが皐月賞のパドックでは、自分で前足をガンと上げて、ちゃんと屈伸ができているような仕草を見せました。今までと違う!と思い、みんなに「ドゥラメンテがいい!」と薦めまくりました。
 
 あれだけ見事に折り合いをつけてしまうミルコ・デムーロ騎手の手腕も素晴らしかった。エイシンフラッシュ(2012年天皇賞・秋をデムーロ騎手とのコンビで制覇)もそうですけど、デムーロ騎手はああいう(気性の激しい)馬と合うと思うんですよ。やっぱり、馬体の稼動域を小さくさせずに、ちゃんと我慢を効かせて最後に爆発させる技術を持っているのかもしれませんね。

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