【競馬】安藤勝己セレクト「2015年3歳牡馬クラシック番付」 (2ページ目)

  • 新山藍朗●構成 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

  横綱:サトノクラウン(牡3歳)
(父マルジュ/戦績:3戦3勝)

 馬体は、決して見映えがいいわけではない。ゆえに、実は弥生賞の前までは、それほど強い馬だとは思っていなかった。2歳秋に東京スポーツ杯2歳S(2014年11月24日/東京・芝1800m)を勝ったときも、内からうまく伸びたな、という印象しかなかった。

 それが、重賞勝ち馬が顔をそろえた弥生賞で完勝。まくり気味に上がっていって、直線で早めに先頭に立つと、そのまま突き抜けていった。あの強さには、本当にびっくりしたよ。「この馬、こんなに強かったのか」って思ってね(笑)。

 折り合いをつけるのに心配がいらない馬だから、道中はずっと余裕を持って走っている。その余裕が、最後の、あのスパーンという切れ味につながっているんだと思う。弥生賞で見せた競馬っぷりからは、距離に問題があるとも思えなかった。皐月賞とダービー、二冠の可能性も十分にあるね。


大関:ドゥラメンテ(牡3歳)
(父キングカメハメハ/戦績:4戦2勝、2着2回)

 共同通信杯では、リアルスティールに敗れたけれども、能力はこっちのほうが上、という感じがした。道中、かなりチグハグな競馬をしていたからね。最初、馬が行きたがって前に出たけど、それを抑えたことでズルズルと後退。やや位置取りを悪くしてしまった。それでも、直線に入って追い出すと、一瞬にして先頭に立った。あの脚は迫力があったね。最後は差されてしまったけど、あれだけの脚が使えるんだから「やっぱり、この馬は強い」と思ったよ。

 もともと、この世代では一番力があると思っていた。実績では「横綱」サトノクラウンに劣るけれども、能力は互角か、それ以上。共同通信杯における反応の良さを考えれば、(皐月賞の舞台となる)中山コースでも心配はない。逆に、前走(共同通信杯)の失敗が教訓として生かされる分、楽しみのほうが大きい。この馬も、二冠を狙えるだけの「器」があるよ。

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