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【競馬】マイルCS、過去のデータから浮上した2頭の穴馬

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 11月23日(日)に行なわれるGIマイルCS(京都・芝1600m)。秋の"マイル王"を決めるこの戦いは、サダムパテック(牡6歳/父フジキセキ)、グランプリボス(牡6歳/父サクラバクシンオー)、ロゴタイプ(牡4歳/父ローエングリン)といったGI馬に加え、ダノンシャーク(牡6歳/父ディープインパクト)やクラレント(牡5歳/父ダンスインザダーク)、ワールドエース(牡5歳/父ディープインパクト)やフィエロ(牡5歳/父ディープインパクト)など、能力を秘めた有力馬が多数ひしめき大混戦が予想される。それでも、主役を務めるのは2頭のマイルGI馬となりそうだ。

 その一頭は、今年のNHKマイルC(5月11日/東京・芝1600m)を勝利したミッキーアイル(牡3歳/父ディープインパクト)。同馬は、昨年9月のデビュー戦こそ2着に敗れたものの、その後は「逃げ」の戦法で破竹の5連勝。自身の戦法さながら、一気にGIタイトルを手にした。

 NHKマイルCのあとに挑んだGI安田記念(6月8日/東京・芝1600m)では、大雨による不良馬場に足をとられ、16着と大敗を喫したが、秋初戦のGIIスワンS(11月1日/京都・芝1400m)では、古馬相手にきっちり勝利。今回こそ、3歳馬と古馬による「統一マイル王」の獲得を目論んでいる。

 もう一頭は、昨年の覇者トーセンラー(牡6歳/父ディープインパクト)。同馬は、無類の「京都巧者」で、これまで挙げた4勝はすべて京都競馬場でのもの。昨夏までは長距離戦を中心に活躍していたが、得意な京都でのGIを優先して、昨秋のマイルCS(2013年11月17日)に参戦。結果、初の1600m戦にもかかわらず、ラスト600mを33秒3の豪脚で快勝した。

 そして今年も、秋はGII京都大賞典(3着。10月14日/京都・芝2400m)を叩いて、マイルのGI舞台に臨むトーセンラー。京都大賞典3着からの参戦は昨年と同じローテーションで、連覇の可能性を匂わせている。

 しかし、この2頭のどちらかが「すんなり勝ち切れるか?」と言われると、疑問が残る。

 まずミッキーアイルについては、3歳馬にとってこの舞台が"鬼門"であることが理由。毎年、3歳馬はそれなりに挑戦しているものの、優勝したケースは、2000年のアグネスデジタル(牡)までさかのぼらなければいけない。3歳馬が勝つには、かなり厳しい現実がある。

 また、ミッキーアイルのレースぶりも不安だ。同馬が逃げ切ったNHKマイルCは、あくまでクビ差勝ちの"辛勝"。1分33秒2という勝ちタイムも、翌週に同条件で行なわれた古馬牝馬のGI、ヴィクトリアマイル(5月18日/東京・芝1600m)よりコンマ9秒も遅かった(※ヴィクトリアマイルの勝ちタイムは1分32秒3。勝ち馬ヴィルシーナ)。古馬の一流どころと対戦する今回、春先から大きくパフォーマンスを上げないと、たとえ馬場が良くても、安田記念の二の舞になることは考えられる。

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