【競馬】イスラボニータ・ショックで新馬戦に異変あり (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo

 そしてもう一頭、忘れてはならないのが、ディープインパクト産駒のディープフォルツァ(牡2歳)。先述のノーザンファームと双璧をなす生産牧場の社台ファームが、早期デビュー組で「いちばん期待をかけている」という素質馬だ。先の専門紙トラックマンが語る。

「ディープフォルツァを管理する安田隆行調教師は、ロードカナロアなどでGIは何勝もしていますが、クラシックにはいまだに縁がない。そんな同師が、『この馬で何としてもクラシックを獲りたい』と意気込んでいます。馬体は、420kg台と小柄ですが、調教の動きは鋭いですし、初戦から勝負になると思います」

 鞍上には、全国リーディングジョッキートップの戸崎圭太騎手を早くから確保。そこからも、ディープフォルツァへの期待度の高さがうかがえる。

 以上、まさに勝てば一躍「クラシック候補」と言われるであろう大物がそろった新馬戦。「伝説」と呼ばれるに相応しいレースとなるのか、必見だ。

 実は、早々に「伝説」になりうるレースはこれだけではない。1週間後の6月22日に阪神競馬場で行なわれる新馬戦(芝1600m)にも、豪華なメンバーが顔をそろえそうなのだ。

 なかでも注目は、ディープインパクト産駒のポルトドートウィユ(牡2歳)。母ポルトフィーノの母が希代の名牝エアグルーヴ(主な勝ち鞍=1996年オークス、1997年天皇賞・秋)という超良血馬で、馬主のクラブ法人であるサンデーレーシングが1億2000万円で会員募集をした高額馬だ。

「ディープインパクト産駒の走る馬に見られる、特有のしなやかさがポルトドートウィユにもある。同世代では、常に別格の存在です」と、育成牧場での評価はピカイチ。専門紙トラックマンによれば、「稽古の動きも日に日によくなっている」とのこと。デビュー戦でどんな走りを見せてくるのか楽しみだ。

 ポルトドートウィユは、POG(ペーパーオーナーゲーム)ファンの間でも、1、2を争う人気馬。そんな大物が早くも登場する22日の新馬戦からも目が離せない。

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