【競馬】マイルCで本命ミッキーアイルに迫る「特注馬」とは? (2ページ目)
他では、スプリングS(3月23日/中山・芝1800m)の勝ち馬で、東京の舞台でも強い競馬をしているロサギガンティア(牡3歳)あたりが気になりますが、2番手以下は混戦模様。ミッキーアイルが作る速い流れに合う馬に注目したいと思います。
そこで、今回の「ヒモ穴馬」には"名手"武豊騎手が手綱をとるサトノルパン(牡3歳)を取り上げます。
マイルCでは「名手」武豊が手綱を取るサトノルパン。 リディルやクラレントなど重賞勝ち馬を兄に持つ血統で、デビュー当時から注目していましたが、昨秋の新馬戦(2013年11月9日/京都・芝1600m)当時は、まだ馬体が緩かったですね。気性的にも若さが目立ち、「競馬を教えている」といった状態でした。
2戦目の未勝利戦(12月7日/阪神・芝1600m)でも、成長途上でした。1回使ったからか、行きっぷりはよくなっていましたが、やや折り合いを欠く面が見られました。直線で追い出してからも、しばらくは推進力がやや上に抜けてしまうような走りで、体をうまく使えていないようでしたね。
それが、3戦目(12月22日/阪神・芝1600m)では一変しました。中団の馬込みの中でもしっかりと折り合って、3コーナー付近で一旦後方まで下げて脚を溜めると、直線に入って追い出してからは素晴らしい反応を見せました。重心を低くした綺麗なフォームで抜け出し快勝。この時点で「順調に行けば、マイルCで面白い存在になるな」と思っていました。
その後、距離1800mのきさらぎ賞(2月9日/京都)では伸びきれず6着に敗れましたが、自己条件の500万下(2月24日/東京・芝1400m)を完勝。続くファルコンS(3月22日/中京・芝1400m)では惜しくも2着でしたが、負けて強しの内容で、3歳マイル路線の上位馬として頭角を現しました。
今回、鞍上はデビュー戦から手綱を取り続けてきた小牧太騎手から武豊騎手に替わります。本当は小牧騎手に乗ってほしい思いもありましたが、"名手"が引き継ぐならば異論はありません。この馬のように、脚を溜めてドーンと弾ける極端なタイプの制御にも長けています。
おそらく、ミッキーアイルによってレースは速い流れになると予想されます。ならば、末脚勝負のサトノルパンにとっては好都合。ミッキーアイルを追って潰される馬が増えれば、ますますチャンスが広がります。
著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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