2013.07.21

【競馬】外国人牧場長はなぜ、廃校となった小学校を買ったのか

  • 河合 力●文 text&photo by Kawai Chikara

『パカパカファーム』成功の舞台裏
連載●第19回

「牧場経営において、スタッフはとても重要」と語る、パカパカファーム(北海道新冠町)の牧場長ハリー・スウィーニィ氏。彼は昨年の夏、スタッフの労働環境をよくするために、なんと廃校となった小学校を購入した。はたして、その意図とは――。

パカパカファームで購入した、旧賀張小学校。
 2010年3月、数多くの競走馬生産牧場が拠点を構える北海道日高町において、3つの小学校が統合した。少子化により起こったこの大幅な改編は、同時に、たくさんの空き校舎や使われない教員用住宅を生むこととなった。これを受け、日高町では、空いた学校施設の再利用者を民間から募集。施設取得費や改修費の助成など、さまざまな支援措置を設けて、空き施設の再活用を模索した。

 このような日高町の働きかけに対して手を挙げたのが、パカパカファームだった。代表のハリー・スウィーニィ氏は、廃校となった賀張小学校の校舎と、隣接する教員用住宅を2012年の夏に購入。現在、牧場の拠点としているパカパカファームの厚賀分場から、車で5分足らずの場所にあるこの施設を、同牧場のスタッフのために活用しようと考えたのだ。

「厚賀分場に近く、居住用の部屋もすでにできているので、これはスタッフの独身寮にちょうどいいと思いました。パカパカファームの勤務は朝6時からですが、ここならぎりぎりまで眠れますし、自転車で通うことも可能です。きっと住みたいスタッフは多いのではないでしょうか。今のところ部屋は5つあるので、場合によってはどれかをゲストルームにしても良いかもしれません」

 パカパカファームのスタッフ寮としては、立地や設備など、まさに申し分のない施設。そしてスウィーニィ氏は、住む場所としてだけではない、この施設の利用法を語る。