【競馬】中山記念、アンコイルドが5連勝を達成する現実味 (2ページ目)
なにしろ、4連勝の内容が際立っていました。その走りからは、常に前の馬を抜かそうと、自らつかまえにいこうとするのが、見ていてよくわかりました。こういうタイプの馬は、内でジッと我慢して追走していれば、直線で相当キレるイメージがあります。ちょうど2前走の寿S(1月12日/京都・芝2000m)がそうでした。内から一気に抜け出して、快勝しました。
そして、前走の白富士S(1月26日/東京・芝2000m)では、また違った走りを見せて力のあることを証明しました。中団の前目から先に動いて前にいく馬をとらえると、最後は後方から突っ込んできたステラロッサ(牡5歳)の追撃を凌ぎ切りました。後ろから馬が迫ってくると、さらにもうひと伸びしたような印象で、その勝負根性には目を見張るものがありましたね。
こういうタイプは、相手が強くなったときに、自らのパフォーマンスも上げていくことが多いのです。だから、4連勝もできるのだと思います。
今回はGⅡということで、相手は一段と強くなりますが、そもそも前走で負かしたステラロッサやムーンリットレイク(牡5歳)がここへ出走していれば、ある程度人気になる存在でした。その2頭を完封してきたわけですから、今のアンコイルドなら十分勝負になると思います。
正面スタンド前からスタートする中山・芝1800mは、1コーナーまでの距離が短くて、ゲートを出てポジション取りをしているうちにコーナーが迫ってきます。そのため、非常に淀みのないペースになりやすく、厳しい流れからの決め手勝負という競馬も、アンコイルドにとってはプラスに働くのではないでしょうか。
枠順はちょうど真ん中の8番を引きました。すぐ外にハナを主張するシルポート(牡8歳)がいるので、シルポートが内に入ってくるのに合わせて、スッとその内側のいいポジションが取れそうです。そこでうまく脚をためられれば、直線でどれだけ弾けてくれるのか、楽しみが膨らみます。
著者プロフィール
大西直宏 (おおにし・なおひろ)
1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。
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