渋野日向子が吐露した全英女子オープン4日間の心情。「あきらめてやっていた」こともあったが「怒りを力に変えられた」 (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 久しぶりに予選ラウンドを突破した渋野。おかげで、彼女らしい思いきりのよさが戻ってきたのか、3日目には再び爆発した。6バーディー、1ボギーの「66」で回って、通算9アンダーとして首位に5打差の2位タイに浮上した。

「今日はスタートから縦の距離が合っていたし、しちゃいけんところに外す回数が少なかった。ショットが安定していて、(距離の)計算も合っていた。パッティングも全体的に安定していた。

 昨日スコアを落としたことに対してマイナスイメージはなくて、(気持ちの)切り替えがしっかりできていた。昨日もよかったところがあったし、(今日になって)何を変えたというのもない。

 本当に今日は、ゴルフに集中して楽しめていた。(優勝した時から)3年経って、いろいろと変えたり、覚えたりして、それを発揮できたというショットが多かった。その分、すごく喜びを感じる。ほんと、ゴルフ自体を楽しめている。久しぶりの感覚」

 迎えた最終日、渋野は1イーグル、3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの「71」とイーブンのラウンド。トップと1打差まで迫ったが、惜しくも3位に終わった。

 とはいえ、メジャーの大舞台で、またもアグレッシブなプレーを披露した渋野。その姿に、多くのファンが魅了されたことは間違いない。

「(ここ最近とは)何が違ったんだろう......。心の底からゴルフを楽しめた、というのはあった。ちょっと怒ってしまう場面もあったんですけど、ああやって自分のミスに怒って、それを次のホールのティーショットで生かすっていうことが最近はなかった。というか、なんかもうあきらめてやっていた。

 でも今回は、怒りを力に変えられた。それは久しぶりの感覚で、そこはすごく変わったかなと思います。だからといって、ミスを引きずるようなこともなく、気持ちの切り替えもかなり早くできていたと感じています。

 予選落ちが続いているなか、『自分は何をしているのかな?』『どうしたいのかな?』って思いながら、ゴルフをしている時間が長くて......。本当に振れないし、『マネジメントってどうしたらいいだっけ?』みたいな、わけがわからなくなりながらやっていて。とりあえず試合をこなす日々が続いていた感じでした。

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