【木村和久連載】全盛期をすぎた「オフピークゴルファー」について考える (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 オフピークゴルファーは、衰えたパワーに頼ることなく、なるべくショートゲームでスコアメイクする。そのほうがエネルギーロスをしなくて済みますし、あまり疲れませんよ。

(4)ゴルフの浮き沈み
 アマチュアゴルファーは、ゴルフを始めてから2~5年ぐらいで100切りを達成します。そこで延々と100を切れないと、リタイヤする確率が非常に高くなります。

 まずは100切り達成。さすれば、どこに連れて行かれても恥ずかしくありません。誰とでもあまり迷惑をかけずにラウンドできるし、「この人はゴルフが好きな人」として周りから認められます。

 そこから10年、ゴルフを始めて15年~20年目ぐらいが全盛期じゃないですか。あとは"マンネリ"という言葉が重くのしかかってきます。何回やっても80台が出ないとか。人それぞれレベルが違うので、うまい人だと「いまだ72を切ったことがない」という高度な悩みとなります。

 こうした場合、うまい人の悩みのほうが深刻です。なまじっかプライドがあり、仲間内で一目置かれる存在であれば、なおさらです。

 それでもし、スランプにでもなったら目も当てられません。だって、もし下手な人のほうがスクラッチで勝ったら、その当事者を含めて、周囲はどう対応していいか......。慰めたりしたら、ますます不機嫌になるだろうし......。

 逆に、しょっちゅう100を叩いている人は"大叩きにも強い"って、褒め言葉になっていませんが、叩いたところで立ち直りが早いです。うまい人に比べて、周囲もそこまで気を遣うことはありません。

 とにかく、頂点を極めると、落ちた時に何かと面倒くさいのは確かです。

(5)今後のオフピーク人生
 プロゴルファーは、50歳からシニアツアーに参加できます。レギュラーツアーに比べてやや距離の短いコースで、往年のスターがしのぎを削り、40代を迎えて低迷していたプロの復活の場として、最近は活況を呈しています。

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