来春こそ悲願達成なるか。ロリー・マキロイのマスターズに賭ける思い (2ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

 その後、"アーメン・コーナー"の最後のホールとなる13番パー5でも、ティーショットを左に大きく曲げてボギー。続く14番で連続ボギーを喫すると、16番パー3でもティーショットを左に曲げて池ポチャ。後半だけでボギーを4つも出して、第1ラウンドは「75」と出遅れた。

 2011年大会の最終日、首位を走っていたマキロイは、10番パー4でティーショットを大きく左に曲げるミスから崩れて失速。あえなくタイトルを逃したが、この日の左に曲げるショットは、当時のことを思い起こさせた。

 結局、第1ラウンドは3オーバー、77位タイ発進となったマキロイ。ダスティン・ジョンソンら7アンダーのトップグループからは、10打もの差をつけられた。

「初日で優勝争いから外れてしまったことは、実にショックだった」

 マキロイ自身、のちにそう振り返っている。

 とはいえ、マキロイはそこから意地を見せて逆襲に転じる。第1ラウンドを終えて、わずか30分後にスタートした第2ラウンドでは「66」をマークして躍進。予選通過を果たすと、決勝ラウンドでは3日目に「67」、4日目に「69」と伸ばして、通算11アンダー、5位タイでフィニッシュした。

 最終的には"らしさ"を見せたマキロイだったが、優勝争いに加わることは一度もなく、通算20アンダーで優勝したジョンソンとは9打差。やはり、初日の出遅れが響いたことは間違いない。

「(新型コロナウイルスの感染拡大による)ロックダウンから復帰して以降、一番苦戦していたのがアイアンショットの精度だった。それで、初日はすごく慎重に戦いすぎてしまった。自分のスイングを信じることができなった。このコースでは、それが最も必要なことなのに......」

 ラウンド後、そう言って悔しさをにじませたマキロイ。それでも「54ホールは本当にいいプレーができたんだ」と、第2ラウンド以降の内容については、満足そうに語った。

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