永井花奈から初心者へのアドバイス「スイングは『歩くこと』と一緒」 (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

◆スイングのリズムをつかむ
 ゴルフのレッスンにおいて、初心者の人に対しては、最初から言葉や形でスイングを教えようとしても、なかなか難しいと思います。

 いきなり「トップの手の甲の形はこう」とか、「(スイングは)下半身のリードで返す」とか言われても、できないし、困ってしまいますよね。とりわけ、「下半身のリード」なんて、普段の生活の中でする動きではないですから、なおさらだと思います。

 ですから、初心者の人がゴルフの動きを最初に覚えるためには、基本的なことを言葉や形で教えるよりも、感覚的にわかりやすい動きから教えてあげたほういいと思っています。そのほうが、スイングの基礎も覚えやすいし、上達も早いのではないでしょうか。

 誰もが感覚的にわかりやすいことと言えば、たとえば"歩く"ことです。

 通常、歩く時に「最初に右足を踏み出して」「次に左足を踏み出して」とか、考えないですよね。そして、自然に前へ歩いていけば、右足を踏み出す際には「左手を上げて」、左足を踏み出す際には「右手を上げて」います。

 そうやって無意識にできていることを、スイングと重ね合わせて教えてあげる、あるいは身につけていくことが、最初は肝心かな、と。要するに、「歩くようにリズムをとって打ちましょう」と言えば、誰でも感覚的にわかりやすく、あまり難しく感じることはないと思うんですよね。

 では、実際に"歩くように打つ"ことをやってみましょう。

 アドレスで前傾姿勢を作ったら、その姿勢を崩さずに保ってください。そこから、バッグスイングに入る時、下半身の重心は右足に乗って、フォローの時には、左足に乗ります。

 その際、歩く時に自然と腕がついてくるように、上半身は、バックスイングで右足に体重が乗った時、左腕が(右側に)振られてトップの位置に上がり、フォローで左足に体重が乗った時、右腕が(左側に)振られて伸びる感じでクラブを振ります。

バックスイングでは右足に体重が乗って、左腕がトップの位置へバックスイングでは右足に体重が乗って、左腕がトップの位置へフォローの際には左に体重が乗って、右腕が振られて伸びるフォローの際には左に体重が乗って、右腕が振られて伸びる これは"うまく打つ"ことが目的ではなく、クラブを振るリズムを感覚的に身につけるための練習ですから、途中のインパクトの部分は、できるだけ"打つ"ことを意識しないようにしましょう。

 最初から"うまく打つ"こと、インパクトでうまくボールを当てようとすると、手で合わせにいくスイングになりがち。これは、歩くことを頭で考えてしまって、右手と右足、左手と左足が一緒に動いてしまうようなものです。

 スイングにおいては「うまく当てたい」と思う前に、下半身や体幹などの大きな筋肉を使って、どんどんクラブを振ること。そのリズムと感覚を身につけてほしいです。そうすると、その自然なスイングの過程で、急にパ~ンと一発、いい当たりが出るようになってきます。

 ドリルとしては、ボールを置かずに素振りをやると効果的。最初は、バックスイングで右足に体重を乗せる時、(右足を)右前に半歩踏み出して左手を上げ、ダウンスイングで左足に体重を乗せる時には、(左足を)左前に半歩踏み出して右手をフォローで高く上げる、という素振りを、連続して歩きながらやっていると、感覚がつかめると思います。

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