【木村和久連載】今さら聞けないハンデの話。人生最高の「証」がほしい (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 また、たとえ競技で優勝したとしても、クラブのハンディキャップ委員が協議して、「いやいや、この人は成績にムラがある。ハンデを上げるかどうかは、もうひと場所、様子を見ましょう」って、まるで大相撲の横綱審議委員会みたいなことも行なわれていました。

 そういうクラブハンデは、一旦シングルになると、ハンデが下がることはなかなかありませんでした。

 それはなぜか?

 シングルプレーヤーは名誉ですから、誰もふた桁ハンデには戻りたくないわけです。そこで、シングルプレーヤーになると、多くの人がそれ以降、成績のいい時しかスコアを提出しなかったり、「調子が悪い」と言って競技にも参加しなくなったりして、その結果、ハンデが下がらなかったのです。

 ところが、そういう名誉シングルの在り方に疑問を呈する人が増え、20年ぐらい前から、「アマチュアゴルファーのハンデは、現在の実力を測るもの」とし、スコアを提出しない者は下がることになりました。クラブハンデも、JGAハンデと連動するようになって、流動的に判断すると決まったのです。

 ちょうどその頃、私はメンバーをやめるぐらいのタイミングで、ハンデが勝手にどんどん下がっていったのを覚えています。ハンデ12でAクラスだったのが、3カ月後にはハンデ13、さらに3カ月後にはハンデ14と落ちていきました。

 大きな競技で優勝したおかげでハンデ12になったので、燃え尽きてしまったのもありますが、最後は自分のハンデを見ていません。たぶん、ハンデ18ぐらいになっていたんじゃないでしょうか。

 さて、プロゴルファーの厳しさについて先に触れましたが、その際、ゴルファーは一旦プロになったら、永久に「プロ」を名乗れるという話をしました。じゃあ、「プロ」という永久称号と同じように、アマチュアも「最高ハンデ」という称号が欲しいですよね。

 私は、個人的に3カ月だけ9.7というシングルハンデになったことがあります。今は外見からしてヘボですが、元シングルだったことは間違いありません。そういうアマチュアゴルファーの長年の功績に関して、顕彰する制度があってもいいんじゃないか、と思うわけです。

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