【木村和久連載】名門倶楽部=高額。それだけの価値は本当にあるのか (2ページ目)
つまり、メンバーが亡くなったら、会員権はコースに戻す、と。そういうことも含めて、会員が減ったら、コース側は補充の告知をするだけ。でも、ウエーティングの方々がすでに何十人もいるので、告知した段階ですぐに会員は埋まってしまいます。
いやはや、子どもに資産として残せない高額の会員権を、しかも60歳ぐらいになって購入してメンバーとなり、いったい何回ラウンドするのよ。生涯100回ラウンドできたとしても、2000万円払ったなら1回20万円!?って、アホかもう!
とはいえ、名門倶楽部のロッカールームで着替えていると、財政界の重鎮で、しかも経済番組などで拝見する方々を普通に見かけます。
「これは、○○自動車の○○さんじゃないですか」「そういうおたくは、○○銀行の○○さん」といった具合で、そこで大きな商談が決まったりすることも......。まさに日本の歴史は"名門倶楽部のロッカールームで作られる"と言っても過言ではありません。
こうして、2000万円以上を払って入会しても、200億円ぐらいの取引が成立するので、十分に元が取れるんですね。
そうなると、某名門カンツリー倶楽部の理事という名刺が、どこぞの東証1部上場企業の社長の名刺よりも、上の扱いを受けます。
そんなですから、某名門倶楽部では、理事長選挙が日本の企業の覇権争いにまで発展した、という話が飛び込んでくることもあります。銀行・金融派が推す理事長候補と、IT・製造業派が推す理事長候補との一騎打ちが繰り広げられたとか。
ここまでエスカレートすると、ゴルフをやっているんだか、派閥闘争をやっているんだか、わからなくなってきますね......。
名門倶楽部の世界って、どれだけすごいんでしょうか...
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