【木村和久連載】ゴルフ業界サバイバル。2015年問題後の試練は? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(2)ゴルフで健康寿命が延びる
 ゴルフをやっている方は、比較的健康体の方が多いと思います。ゴルフは、腰や肩が多少痛くても、それをかばいながらプレーできますしね。これが、サッカーやラグビーだと、激しさが違ってきますから、さすがにプレーするのはしんどいでしょう。

 それにゴルフの場合、70歳になって飛距離が落ちても、アプローチでカバーして「まだ、若い者には負けないよ」という方が多いです。しかも、乗用カートもあるし、電車利用でコースに行けば、車の運転もしなくていいから、体に負担をかけることなく、プレーできます。

 さらに、今の70歳は年金の"勝ち組"です。それなりの金額をもらっていますから、平日5000円程度のプレー代で済む地方でやるなら、月に1、2度のレジャーとして、そして健康法として、十分にプレー可能でしょう。

 高齢の先輩方を見ていると、70歳前後はまだまだ元気いっぱい。私より飛ばす方が結構います。いまだシングルを維持している人も、数知れず、です。

 とあるデータによると、介護を受けたり、寝たきりになったりしないで生活できる健康寿命は、2016年で男性は平均72.14歳です。2001年には平均69.4歳でしたから、5年で1歳ぐらい延びているのです。

 というわけで、ゴルフ可能年齢は、健康寿命に4、5歳加えたぐらいかなと。それが、ゴルフがプレーできる平均限界年齢と言えます。

 要するに、77歳の喜寿を迎える頃には、さすがに飛ばなくなって、ミスも多くなり、ラウンドしてもつまらないと感じる方が増えてくるのではないでしょうか。そうなると、引退が近い雰囲気が漂ってきます。

 現在、団塊の世代のボリュームゾーンが72歳ですから、あと5年ぐらいしたら、"団塊ゴルフ"の終焉を迎え、ゴルフ人口が急激に減ると思います。

 というわけで、山場となるのはこのときです。

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