本当に一番強いのは誰なんだ。世界ランク1位の争いに疑問の声 (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 2017年の全米オープンでメジャー初優勝を飾ったケプカは、2018年も全米オープンを制して連覇を達成。さらに全米プロも勝って、メジャー大会で圧倒的な強さを披露してその活躍ぶりは際立っている。

 片や、ローズが光るのは"安定力"だ。2017-2018シーズンのPGAツアーでは、昨年10月のWGC HSBC選手権で幸先よく優勝したあとは、5月のフォートワース招待を勝っただけ。その分、ケプカほどのインパクトはないものの、ほぼ毎週のように優勝争いに加わって、2勝を含めてトップ10入りは11回を数える。それが、世界ランキング1位という成績につながっている。

 こうして、いずれも素晴らしい結果を残している。ともに世界ランキング1位にふさわしい存在ではあるが、やはりローズの結果には派手さが欠ける分、現状のシステムに異論を唱える者も少なくない。あるベテラン記者が言う。

「ローズは素晴らしいプレーを続けていたし、その強さは誰もが認めるところだ。だが、メジャー未勝利で世界ランキング1位、というのには違和感がある。ランキングについては、今のような週替わりではなく、たとえば月ごとの月間にしてはどうだろうか。あるいは、メジャー勝利のポイントをより多くするなど、改良すべきではないか」

 世界ランキングが初めてゴルフ界に導入されたのは、1986年のマスターズの週。このときは「ソニーランキング」という名称だった。それまで、IMGの創設者であるマーク・マコーマック(アメリカ)が独自に算出していたランキングを、「世界中のツアーから全英オープンへの出場を可能にするために」と、R&A(英国ゴルフ協会)が導入したのがきっかけだ。

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