どん底を見た女、比嘉真美子がツアーのトップレベルに復活できたわけ (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 好調の要因について聞くと、ひとつはオフの過ごし方を変えたことにあるという。

「いい意味で"休み"を作らなかったんです。昨季は、世界4ツアー対抗戦『ザ・クイーンズ』(12月1日~3日/愛知県)が最後の試合だったんですが、休みを入れずに少しずつトレーニングを始めたんです。

 以前のオフは、ツアー終了後に一度長く休んでいました。そうすると、いざトレーニングを始めようとしたときに、かなりしんどくて......。ゼロから始めるとリズムがつかめないので、しっかりベースを作る意味でも、休みを取らずに少しずつトレーニングをしていきました。

 あと、ボールを打つにしても、ただ打つだけではなく、素振りも今までよりも重視してやりました。トレーニングも、トレーナーさんと一緒に例年よりもひとつレベルの高いところまで追い込みました。そういうのが生かされて、開幕からしっかり(試合に)入れた部分があります」

 もうひとつ、結果を残せている明確な理由がある。

「ツアー中の、ピンゴルフのサポート体制がとても心強いです。それと、私の中で大きいのは、指導を受けている辻村(明志)コーチのサポートです」

 比嘉はこれまでコーチをつけたことがなかったが、昨年途中から上田桃子らも指導する辻村コーチに師事した。そこから、比嘉は確実に変わった。

「辻村コーチについてもらうようになってから、自分がやるべきことや課題を克服するための練習が、ものすごく明確になりました。自分の短所が、毎日の練習で鮮明になっていくんです。

 課題については、コーチとしっかりと話し合って、それから明らかにしていくことが多いです。例えば、今はこんな感じがよくないとか、自分で気づいたことをコーチに伝えて、ふたりで話し合いながら課題や問題点を探していくんです。そうすると、迷いや不透明な部分がなくなって、やるべきことがはっきり見えるので、すごくいいですね」

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る