「世界トップの気圧」で戦う松山英樹。圧巻Vはメジャー制覇の吉兆か (2ページ目)

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 後半に入っても、松山の勢いは止まらなかった。13番でピン奥からバーディーパットを沈めると、最後は16番から18番まで完ぺきなショットを見せて、立て続けにバーディーチャンスを生み出した。

 そして、そのチャンスをすべて決めて3連続バーディー。最終的には2013年にタイガー・ウッズが記録したコースレコードに並ぶ「61」をマークし、通算16アンダーでフィニッシュした。2位に5打差という大差をつけての勝利。その松山の強さには、他の選手も脱帽するしかなかった。

「松山はいったい火がつくと、その勢いが止まらない。それが非常に印象的で、これまでもそうしたプレーで数々の優勝と上位フィニッシュを決めてきた」(ロリー・マキロイ)

 今回の松山の優勝について、ゴルフジャーナリストの三田村昌鳳氏はこう語る。

「まずは、精神的な充実度というのが大きい。今回の松山は、終始おだやかにプレーしていた。自分の目指すゴルフというものを淡々とこなしていた。それが、結果につながったと思う。ただ、ここまで来るのに、やはり半年くらいかかったんだな、とも思った。

 そもそも松山が世界ランキングの上位に名を連ねてから、もし今季、メジャーを勝つとすれば、全米プロ選手権あたりではないかと思っていた。というのも、世界ランキングのトップ3、トップ5以内に入ると、そこには"ウイナーの気圧"と言えばいいのかな、普通とは違うゾーンというか、環境がある。当然そこでは、試合で結果を出すこととか、勝たなければいけないとか、そういう気持ちやプレッシャーがそれまでよりも増幅する。

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