【木村和久連載】「ギョーカイ」の人たちにゴルフが愛されるわけ (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 今から40年以上前、我が故郷、宮城県石巻市に北島三郎さんがやって来ました。リサイタルに行けない木村家は、その昼間、母校の湊中学校で北島三郎さんが野球をすると聞いて、それを見に行きました。甥っ子が北島三郎さんに握手をしてもらって、大感激していたのを今でも覚えています。

 さらに1970年代、私が予備校に通っていた頃、仙台の公園脇のグラウンドでは英国の人気歌手オリビア・ニュートン=ジョンがソフトボールをやっていました。コンサート前のレクリエーションだったのでしょうが、オリビア・ニュートン=ジョンをひと目見ようと、周囲は黒山の人だかりでした。

 プレー後は、若者がオリビア・ニュートン=ジョンの後を追いかけた? いや、違うんですよ。なぜか、彼女がさっきまでプレーをしていたグラウンドのホームベース付近に人々が殺到したのです。

 何をしているのかと思ったら、金髪が落ちていないか、誰もが目を皿のようにして探していたそうです。冗談みたいな、本当の話です。やっぱり、日本人は金髪娘にコンプレックスがあるんですなぁ~。

 どうでもいいネタはこのぐらいにして、肝心のゴルフのお話をしましょう。かつて"ギョーカイ"の方々、特に音楽関係者はこうして野球を楽しんでいたわけですが、しばらくするとゴルフへと移行。そのブームがやってきます。

 どうして、ゴルフに代わったのか。"ギョーカイ"関係者の収入も上がってゴルフをやる人が増えたこともありますが、一番は野球をやるとなると、結構な人数を集めなければいけないということで、面倒くさくなったのです。

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