キム・ハヌルの快進撃が止まらない。日本ツアー3年目で爆発した理由 (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 近年、韓国ツアーの競争は熾烈さを増している。韓国、アメリカ、日本と3つのツアーを経験している元世界ランク1位の申ジエ(29歳/韓国)も、「"競争"という意味では、韓国ツアーが最も過酷でした。みんなが楽しくゴルフができているとは言えませんし、30歳になると、ほとんどの選手が引退しますからね」と語るほどだ。

 幼少の頃から英才教育を受けてきた才能豊かな選手たちが毎年、次から次へと登場。そんな活きのいい若手選手たち相手に、体力が落ちてくる20代後半になると、どうしても太刀打ちできなくなってしまう。

 キム・ハヌルも同様だった。そして、2年連続賞金女王になったあと、徐々に勝てなくなっていった彼女を「老将(ノジャン)=ベテラン」と表現し、もはやピークを過ぎた選手であるかのように取り上げるメディアも出てきた。

「(韓国では)歳をとると引退しなければいけない、といった雰囲気がツアー全体にあります。韓国では、強くて若い選手がもてはやされる傾向がとても強いです。私は2014年のマッチプレーで2位になったのですが、その大会でベスト8まで進んだ選手の中で25歳を超えているのは、私しかいなかったんです。そうしたら、ある新聞に『老将はまだ生きている』と書かれたり、新人選手との対戦前には『新人の気迫か、老将の貫禄か』なんて見出しをつけられたりしました(笑)。そういう立場に追い込まれるのが、とてもしんどかったです」

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