10度目の2位。それでもR・ファウラーは勝者の最終パットに歓喜した (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 ニクラウス夫妻が18番グリーンサイドで勝負の行方を見守る中、またもあと一歩で優勝に届かなかったファウラー。戦いを終えてニクラウスと握手をかわすと、少し長い会話がなされていた。

 ニクラウスはメジャー通算18勝。今もメジャー勝利の最多記録を保持している。だが、メジャー大会で2位に終わったことが19回もある。そう、勝った数よりも、あと一歩で負けた数のほうが多いのだ。

「ジャックのメジャー記録を見るとわかる。勝つためには、まずは優勝争いをすること。そして、そこで自分がやらなければいけないことができるかどうかだ。無論、どれだけいいプレーをしても、勝てないことはたくさんある」

 ファウラーはそう言って、今回は涙を見せなかった。

 印象的だったのは、ダフナーが勝利を決める18番のパットを沈めたときのこと。ガッツポーズをするダフナーを見て、彼以上に喜んでいたのはファウラーだった。ダフナーがパットを外してボギー以下が確定し、ファウラーがチップインバーディーを決めれば、プレーオフに向かうチャンスがあったにもかかわらず、だ。

 ダフナーとファウラーは、とても仲のいい友人なのである。トレーナーが同じで、前夜もコースのクラブハウスでジョーダン・スピース(23歳/アメリカ)、ジャスティン・トーマス(24歳/アメリカ)らも交えてディナーをともにしたという。その際は、首位から崩れたダフナーを励ましていたのだろうか?

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