【木村和久連載】世界のファンが本当に望む、五輪のゴルフコースとは? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 あるいは、周囲360度のうち、320度が池に囲まれているアイランドグリーン。これは、誰が見てもスリリングです。

 そういうレイアウトのほうが、白黒ハッキリして、見ている分には楽しいのです。やっている選手にとっては、たまったものじゃないですけどね。まあでも、オリンピックはスポーツの"ショー"ですから、勇者たちにはぜひ難関に挑んでいただきたいものです。

多くのファンが欲しているのは、スリリングな展開なんですよね多くのファンが欲しているのは、スリリングな展開なんですよね さて、こういうウォーターハザード絡みのコースは、日本にもあるにはあります。ただ、そのほとんどはバブル期に造られたコースで、今や改修されてしまっているところも少なくありません。しかも、その改修が半端なく、簡単に言うと、距離を縮めたり、肝心の池を埋めてしまったり、その池を浅いバンカーにしてしまったり、といった感じでしょうか。

 オリンピック競技に使うなら、再度大改造の必要があります。その結果、以前このコラムでも紹介した(※2016年12月8日配信「大先生設計のコースでプレーしたくありませんか?」)、「東の井上誠一、西の上田治」という巨匠が設計した伝統的な林間コースが、試合会場の候補になりやすくなったのです。

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