【木村和久連載】トッププロにも聞いた「ラウンド前練習」のセオリー (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 じゃあ、ドライビングレンジに立って、短いクラブから徐々に番手を上げて打っていく練習はどうなのでしょうか。

 これも、PGAツアーでは決まったセオリーはなく、ドライバーから打つ人もいれば、アイアンからの人もいれば、短いウエッジから練習を始める人もいて、人それぞれみたいです。それを聞いて、「日本とぜんぜん違うじゃん。みんな、教科書どおりやりましょうよ」なんて思ったりしました。

 後日、冷静になってみてわかったのですが、アメリカのPGAツアーは広大な国土の中をぐるぐると転戦していって、ゴルフの試合はいつも暖かいところを選んで行なわれます。冬はハワイやフロリダ州のオーランドとかね。そのため、体は常にほぐれていて、よく回るわけです。おかげで、ストレッチもさほど必要ないし、どんなクラブから練習を始めても何ら問題ないのでしょう。暖かいと、ボールもよく飛びますしね。

 ちなみに、タイガー・ウッズが日本に来たとき、その公開練習を見ましたが、彼はサンドウエッジから徐々に番手を上げていき、仕上げにドライバーを数回打って終わっていました。タイガーがそうなら、やっぱり教科書どおり、やってみますかね。

 ところで、なぜドライバーは数球打つ程度でいいのでしょうか。

 そういう方は、ドライバーをたくさん練習していた過去があります。だから、ある程度フォームが固まっているのです。しかも、ドライバーを打つ前段階で、例えば7番アイアンぐらいで、ドライバーを打つ調整をしているからいいみたいです。

2 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る