【木村和久連載】ゴルフができる、それ自体が幸せなことを思い知る (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

◆外反母趾(がいはんぼし)
 自分が外反母趾になっていることは、案外気づかない方が多いみたいです。私もある日、右足の親指がぐんにゃり内側に曲がっていることを発見し、往年の刑事ドラマ『太陽にほえろ!』の、松田優作の殉職シーンのように「なんじゃこりゃ!」と叫んだものです。

 別に痛くないのですが、放っておくと、親指の曲がり方が次第にエスカレートしていきます。心配になって専門医に診てもらいましたが、「見事な外反母趾だ」と言われて、戸惑いを隠せませんでした。そのうえ、「酷い人は、手術もあるぞ」と脅かされて、呆然としたものです。

 そこで、正しい歩き方や、指の反りの戻し方などを教わり、すぐに実践しました。治りはしませんでしたが、進行が止まった感はあります。

 外反母趾で困ることは、歩いていて、足の裏が痛くなることです。足の裏は、足の指と踵(かかと)が支えているのですが、親指が潰れると、足の裏が地面についてしまうんですね。それが、痛いんです。

 一番痛いのは、裸足で床を歩くときです。だから、スリッパやサンダルは室内では欠かせません。 

 ゴルフで困るのは、なかなか合うサイズの靴がないことです。外反母趾は親指の第一関節が外に飛び出すので、幅を取ります。そのため、大きめの靴を買って、あとは靴ヒモで調整する作戦に出ます。けど、外反母趾ではない左の靴はブカブカですから、ラウンドの際は難儀しています。

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