期待どおりの凱旋V。松山英樹の「別次元」に石川遼、池田勇太も脱帽 (2ページ目)

  • 柳川悠二●文 text by Yanagawa Yuji
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 世界ランク6位のアダム・スコットとともに、予選ラウンドを松山と同組で回った同い年の石川遼は、3オーバーの9位タイから最終日をスタートしたが、スコアを伸ばせず7位タイにとどまった。

「自分の中では1アンダーが優勝のラインだと思っていて、イーブンまで戻せれば(勝負の行方が)わからないと思っていたんですけど......、(4アンダーでスタートした)ヒデキに落とす雰囲気はなかった。さすがだな、と思います」

 想定を大きく上回る松山の最終スコアに、石川も脱帽するだけだった。また、最終組で松山と一緒に回った東北福祉大の先輩でもある池田勇太。今大会を2位タイで終え、国内賞金ランキングのトップに立った彼もまた、こう振り返った。

「(松山は)距離も出ていたし、アイアンも自分とはひと番手違いました。自分がもうワンランク上にいくにはこの差なんだな、と一緒に回りながら思いました。後輩ですけど、いい勉強になりました」

 国内のライバルも力の差を認める松山の圧勝劇であったが、松山はいつものように自身のプレーにはまるで納得していない様子だった。この日は第1打がフェアウェーを外すことが多く、フェアウェーキープ率は21.43%。精度の高いアイアンショットと、アメリカで磨いたショートゲームが、日本での戦いを救った。

「フェアウェーにはほとんどいかなかったですし、パッティングもあまりよくなかったんですけど......、アメリカでいろんな芝を経験していることがアプローチなんかに生きたとは思います」

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