重荷から解放された松山英樹。「想像を絶する準備」で全英オープンへ (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

「年間グランドスラムを達成することや、メジャーで優勝することが非常に難しいのは、1年間に4回のピークを迎えなければならないからです。しかもそれは、4月から8月の4カ月の間で。その間に"4つの山"を迎えるというのは、至難の業だと思う。4年に一度のオリンピックに合わせてピークを作るのも大変でしょうが、年間に4度のピークを作るのも、とても大変なことなんです」

 オリンピックの開催は、今回の全英オープンと、例年よりも前倒しされた全米プロ(7月28日~31日/ニュージャージー州)の直後。つまり、4カ月の間にさらにピークをひとつ付け加えなければならない、ということになる。したがって、世界のトップランクの選手たちは、なおさら悩み抜いたのだと思う。

 ともあれ、難しい決断を強いられる重荷から解放されて、世界トップ3の選手をはじめ、五輪出場を辞退した選手たちには、新たに自分自身に課した責任があるはずである。

 さて、松山は全米オープン(6月16日~19日/ペンシルベニア州)で予期せぬ予選落ちを喫した。きっとこの結果が、あらゆる面で気持ちを新たにするきっかけにもなったと思う。

 メジャー優勝を狙い、メジャーに勝つことに照準を合わせてやってきた松山。今年こそ、その準備が整ってきたと思ったら、結果的にマスターズは7位、そして全米オープンでは予選落ちの憂き目に合った。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る