A・スコットもリオに不参加。五輪のゴルフ復活は何のためなのか (3ページ目)

  • 武川玲子●文 text by Takekawa Reiko
  • photo by Getty Images

リオ五輪への不参加を表明したアダム・スコットリオ五輪への不参加を表明したアダム・スコット そもそもスコットは、「五輪のために自分のスケジュール調整はしない。スケジュールが合わなければ、出場しない」と発言。その動向に注目が集まっていたが、結局、「この五輪の時期は、とても忙しくて欠場を決めた。オーストラリア代表の活躍を期待したい」とステートメントを出した。

「ゴルフは4大メジャーがあるので、五輪はエキシビションに過ぎない」と公言し、物議を醸したスコット。それでも、出場への期待がかかっていただけに、今回の決断は非常に残念に思う。このスコットの欠場を受けて、現時点ではマーク・リーシュマン(32歳)がオーストラリア代表へと繰り上がった。

 ここでもう一度考えたいのは、ゴルフが五輪競技になる意義だ。マスターズ委員会、全米ゴルフ協会、R&A(全英ゴルフ協会)、全米プロゴルフ協会、PGAツアー、そして世界中のツアーと団体が、なぜ一丸となって五輪競技復活を目指したのか。すべては、これからのゴルフの発展のためだ。

 五輪競技になれば、国から補助金が出るし、選手の育成にもつながる。さらに、ゴルフがスポーツとして知られていない国や地域でも、たくさんの人の目に触れることになるだろう。そうすれば、人口が10億人を超える中国やインドなどで、ゴルフ人口の増加につながるかもしれない。ゴルフ大国であるアメリカやイギリス、オーストラリアや日本での影響よりも、そうしたゴルフ途上国で多大な影響をもたらすことに大きな期待が寄せられている。

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