【ゴルフ】全米オープン、ジャンボと中嶋常幸が認める「松山英樹に勝機あり」 (2ページ目)

  • 三田村昌鳳●文 text by Mitamura Shoho
  • 小内慎司●撮影 photo by Kouchi Shinji

 そんな大器の片鱗を存分に見せつけている松山が、まもなく開幕する海外メジャーの第2弾、全米オープン(現地時間:6月13日~16日/アメリカ・ペンシルベニア州)に初めて挑む。

 全米オープンと聞いて、まず思うことは距離が長いということだが、今年の全米オープンの会場となるメリオンGCは、全長6996ヤード(パー70)。近年、全長7000ヤード超えが当たり前の全米オープンからすると、やや短い。マキロイが優勝した一昨年のコングレッショナルCCが全長7574ヤードあったことを思えば、余計に短く感じる。

 だからと言って、難易度が下がることはない。距離が短くなるだけで、狭いフェアウェーや深いラフ、グリーンの難しさは、全米オープンならではのセッティング。ギャラリーの入場制限をするほどコース全体の敷地が狭いため、むしろ普段よりも高い技量、さまざまな球筋を要求される。メジャー大会の中でも、最難関の舞台であることに変わりはない。

 ティーショットではほとんどのホールでドライバーが使えない。ユーティリティーやアイアンで打つにしても、フェアウェーの傾斜がきつく、バンカーも戦略的に配置されており、「真っ直ぐ打てばいい」というイメージでは攻略できない。左右のドッグレッグはもちろん、風の影響を受けたり、コース両側から木がせり出したりしているコースもあり、そこで求められるのは、左右高低を打ち分けられる技術だ。それも、フェード、ややスライス、スライスといった打ち分けと同時に、高さと低さが加味される球筋が打てなければならない。よくボールを「置きにいく」という表現があるが、その言葉どおりの緻密なゲームプランを実践できるかどうかがポイントになる。

 松山は、その難コースでどんなプレイを見せるのか。

 これまで世界のメジャー大会には、アマチュア選手としてマスターズに出場している。昨年、一昨年と2度出場し、ともに見事予選通過を果たした。とりわけ、一昨年はローアマチュアに輝き(全体で27位タイ)、日本人選手として初めて表彰式に参加した。

 その実績からしても、非常に楽しみである。見ている側を、ワクワクさせてくれるのではないか、と思っている。

 では、勝機はあるのだろうか。

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