【チャンピオンズリーグ】ベスト8からの優勝予想 識者たちが本命に挙げたのは? (2ページ目)
【新機軸の戦いをするバイエルンに注目】
西部謙司(サッカーライター)
<優勝予想>
◎本命/バイエルン
〇対抗/レアル・マドリード
△穴/スポルティング
トーナメントの山に重さの違いがみられる。パリ・サンジェルマン(PSG)、リバプール、レアル・マドリード、バイエルンの山は激戦の連続になりそう。決勝進出までに息切れしそうだが、この山を勝ち上がったチームこそ本命に相応しい。
この4チームのなかではバイエルンが最強なので本命とする。圧倒的な攻撃力は随一。オリーセ、ケイン、セルジュ・ニャブリ、ルイス・ディアスのアタックラインが強烈だ。
強豪チームで標準装備化している構造主義とは違うアプローチも面白い。安定したビルドアップで押し込み、強力なウイングを配したサイドへボールを運び、クロスボールのクリアを拾うか、たとえサイドで失っても即時のプレッシングで回収。ずっと勝ちに近く、負ける危険性を極端に低くする構造を保ってプレーする戦い方が強豪チームに浸透している。
一方、バイエルンはあえてポジションチェンジを多発させるパスワークで、局面をカオス化させる。パス&ムーブでボール周辺を密集化させることで守備の強度を担保。この方法は、選手が監督や戦術の"コマ化"している構造主義とは一線を画し、いつカオスを作り出すかの判断が選手に一任されている点で、主権を選手に戻す試みと言える。自ら構造を壊しているのでカウンターに弱く、PSGにはそこを突かれるだろうが、打ち合いで上回る力を持っている。
対抗は準々決勝でバイエルンと対戦するレアル・マドリード。CLとの相性が異常によく、一発勝負の強さが伝統だ。局面をカオス化させるバイエルンに対抗できる個々の能力の高さを持っている。キリアン・エムバペ、ヴィニシウス・ジュニオールが揃うことがプラスとなるか、マイナスになるか。
穴というより大穴だが、もう一方の山はスポルティングに期待したい。ラウンド16ではボデ・グリムト相手にアウェーで0-3だったのを、ホームの5-0で引っくり返した。準々決勝で対戦するアーセナルとは実力差があるものの、ホームで二度目の奇跡を起こせば波に乗る。
準決勝に進めば対戦するバルセロナかアトレティコ・マドリードは、バイエルンやレアル・マドリード、PSGよりも与(くみ)しやすい。ノックアウトステージなので、実力だけでなく運も必要。わけのわからないパワーを、このタイミングで出力できるチームが勝ち上がる可能性はけっこうある。
リーグフェーズ8戦全勝のアーセナルは堅守に加えてセットプレーの武器があり、最も構造が強固なチームだ。しかしそれだけに対策もされやすく、終盤にきて集団的な疲労感も垣間見える。本来なら本命とすべきだが、パワーダウンしている懸念がある。
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