【プレミアリーグ】ソン・フンミンを超える日本人誕生はいつの日か「8年連続ふた桁ゴール」は偉大すぎる高い壁 (2ページ目)
【プレミア史上7人目の快挙】
ソンのプレミア初年度は28試合で4ゴール・1アシスト。ファンの期待には応えられなかった。
3000万ユーロ(当時のレートで約40億円)もの移籍金も批判の対象になった。何しろヨーロッパの市場では、中田英寿(ローマ→パルマ)の2840万ユーロ(当時約38億円)を上回るアジア人最高額である。メディアやサポーターの風当たりは強くなっていく。
迎えた2年目の2016-17シーズン。開幕前の調整がうまくいかず、トップでもサイドでも三番手の評価に甘んじていた。ローンを含めた放出もやむなし、との声も少なからず聞こえてきた。
しかし、ソンは足を止めずに多くのチャンスを創出する。ハリー・ケイン、デレ・アリ、クリスティアン・エリクセンらと織り成す攻撃に絡み、14ゴール・7アシストを記録。優勝こそチェルシーに譲ったが、リーグ最多86ゴールのチーム記録に貢献するなど、申し分のないシーズンだった。
それを機に、スピード豊かな韓国人アタッカーの実力を疑う者は誰ひとりとしていなくなった。2017-18シーズンを占うメディアも、ケインやエリクセンとともに、ソンを不動のレギュラーに推すようになった。
プレミアリーグ3年目になると、戦術理解度に磨きがかかり、天性の運動量にもすごみが増した。地道なトレーニングを重ねた結果、シュート力も向上した。一部のメディアによる差別的な悪評は、強い気持ちで明日の糧(かて)に書き換えた。結果、12ゴール・6アシスト。前シーズンに続き、多くのゴールに関与する大活躍だった。
スパーズ内のプライオリティはケインがナンバー1だとしても、ソンの存在感も捨てがたいものとなった。度重なる負傷で7ゴール・9アシストに終わった昨シーズンを除き、プレミアリーグでは2016-17シーズンから8年連続でふた桁ゴールを記録。さすが、と言うしかない。
なお、この記録はプレミアリーグ史上7人目の快挙であり、ケイン、ウェイン・ルーニー、フランク・ランパード、セルヒオ・アグエロ、ティエリ・アンリ、サディオ・マネと同列に並んだことを意味する。すごい顔ぶれじゃないか。
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