バルセロナ、今季の戦力の全貌が見えた 新加入ラッシュフォードへの期待&懸念はGKか (3ページ目)
「ラッシュフォードは徐々にコンディションも上がってくるだろう。他の選手よりも合流が遅かったから。これからが楽しみだ」
フリックはそう言って、心配している様子はなかった。
問題が燻っているといえばゴールキーパーだろう。
エスパニョールから獲得したジョアン・ガルシアを、サラリーキャップの問題(年俸合計が枠を超え、選手を放出する必要)で登録できていない(神戸戦は親善試合ということで、ジョアン・ガルシアが先発した)。テア・シュテーゲンは腰の手術で3カ月の離脱だが、彼はジョアン・ガルシアを獲得したことに不信感を覚え、クラブとの関係が悪化している。「4カ月離脱」という形にしたら(病床扱いとなり)、テア・シュテーゲンの登録をジョアン・ガルシアに代えることもできたが、こじれた状況ではうまくいかなかった。
8月16日のマジョルカとの開幕戦まで、フリックはベストのチームを探し求めることになるだろう。
「今回はサマーツアーの背番号で、確定したものではありません」
フリックがそう語っていたように、バルサが完成するのはもう少し先だ。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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