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【プレミアリーグ】新シーズンの楽しみはチェルシーのククレジャ 世界最高の左サイドバックと思わせるプレー (2ページ目)

  • 西部謙司●文 text by Nishibe Kenji

【世界最高の左SBと思わせるプレーぶり】

 PSGには2024-25シーズン大活躍の左SBヌーノ・メンデスがいた。ポルトガル代表でもネーションズリーグ優勝に大きく貢献していて、現在世界最高の左SBのひとりだろう。ただ、CWC決勝に関しては同じポジションのククレジャと明暗を分ける形になった。

 チェルシーはコール・パーマーを右サイドに配してヌーノ・メンデスにぶつけている。いつもは4-2-3-1システムのトップ下でプレーするパーマーだったが、右サイド起用は大当たりで2ゴール1アシストと全得点を生み出した。

 ヌーノ・メンデスはロングボールの処理を誤り、そこからパーマーが22分に先制。30分にはヌーノ・メンデスが上がった裏のスペースを突いたパーマーが2点目。さらに3点目もヌーノ・メンデスが左サイドのスペースへ上がるマロ・ギュストを警戒してパーマーのマークを放し、フリーのパーマーが縦パスを受けて前進、スルーパスをジョアン・ペドロが決めている。3失点すべてに絡んだヌーノ・メンデスには気の毒だが、チェルシーの作戦勝ちだった。

 ヌーノ・メンデスが上がっていればパーマーやジョアン・ペドロがスペースを突く。下がっていれば右SBギュストが進出して、パーマーを中へ入れる。得点創出のキーマンであるパーマーに時間と場所を作るために、ヌーノ・メンデスのサイドがターゲットにされていた。

 パワー、スピード、左足の強烈なキック、CLでリバプールのモハメド・サラーを抑え込んだ守備力など、ヌーノ・メンデスのここまでの活躍はすばらしかった。ククレジャもハイレベルのプレーをしていたとはいえ、ヌーノ・メンデスに比べると地味な印象は否めない。ただ、その地味さがククレジャの真骨頂であり、CWC決勝に関してはククレジャこそ世界最高の左SBと思わせるプレーぶりだった。

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