検索

遠藤航がチャンピオンズリーグ(CL)で初のフル出場 日本人選手8人に16強入りのチャンス (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【貴重な経験を積んだ川村】

 一方、遠藤は日本人選手で唯一、フルタイム出場を果たした。PSV戦のリバプールは、すでにベスト16へのストレートインを決めていたこともあり、メンバーを大きく入れ替えて臨んだ。遠藤はその恩恵にあずかった格好だ。

 国内のカップ戦以外では今季初スタメン。今冬での移籍はあるのか。その背景を探りたくなるが、この試合では、2-1とリードした状況から同点弾を浴びるプレーに関与することになった。前半終了間際の45分、こぼれたボールを処理しようと、駆け寄ったときだった。その進路を主審にふさがれて体勢を崩してしまう。確保できたはずのボールをヨエイ・フェールマン(オランダ代表)に奪われ、イスマエル・サイバリ(モロッコ代表)の同点ゴールにつながるアシストを許してしまったのだ。

 遠藤は後半の途中からCBにコンバートされた。178センチと、けっして大柄ではない日本人選手がCBを務める姿、新鮮に映る。日本代表にも十分に活かせるアイデアだと見た。

 森保ジャパンでは遠藤以上に存在感を発揮している守田は、25日の国内リーグ、ナシオナル戦で負ったケガの影響だろうか、ベンチ入りしながら出場には至らなかった。昨年10月の日本代表戦以降、守田はコンスタントにプレーすることができていない。

 遠藤も心配だが、守田も心配になってきた。現在29歳。W杯本大会時には31歳になっている。年齢を考えれば欧州市場における上りの階段はそろそろ終わろうとしている。栄転を図ろうとするなら今季が最後のチャンスと言っても過言ではない。ここは欧州に向けアピールしておきたかったはずである。

 スポルティングは終盤までボローニャに0-1でリードされる展開だった。このまま終わればプレーオフ圏外の25位以下に沈む。同点弾が生まれたのは後半33分で、チームを救ったのは19歳のデンマーク人ストライカー、コンラッド・ハーダーだった。守田にとっても喜ばしい一撃となった。

 守田はプレーオフ(2月)に間に合うのか。日本代表の中心選手でもあるだけに注視したい。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る