検索

「解任されてから知念がLINEをくれた」日本を去る鹿島前監督ランコ・ポポヴィッチ最後の言葉 (3ページ目)

  • 木村元彦●取材・文 text by Kimura Yukihiko

――今の日本のサッカーのインフラについてはどう見ていますか。

「Jリーグの選手たちは私が初めて広島に来たときに比べて格段にレベルが上がっています。また、日本のメディアは非常に礼儀正しいです。ただ、結果から逆算して論調がだいたいひとつになっています。内容やプロセス、戦力を見ずして、勝てば称賛、負ければ手のひらを返して叩くということの繰り返しです。プロの記者ならば、サッカーにはいろんな見方があるはずです」

――日本を去っていくにあたって残したい言葉があれば。

「クラブの公式リリースにも出しましたが、これがクラブの判断ならば、それを尊重します。鹿島での仕事は光栄でした。解任されてから知念が私にLINEをくれました。これまでサッカーは苦しいものだと思っていましたが、こんなにも楽しものであったのかと気づくことができた。まるで少年時代のような気持ちになれました、と。鹿島で指導した選手たちが、これから先、私の指導を思い出してくれる瞬間があればそれが何よりうれしいことです。私に関わってくれたすべての人にありがとうと言いたい」

著者プロフィール

  • 木村元彦

    木村元彦 (きむら・ゆきひこ)

    ジャーナリスト。ノンフィクションライター。愛知県出身。アジア、東欧などの民族問題を中心に取材・執筆活動を展開。『オシムの言葉』(集英社)は2005年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞し、40万部のベストセラーになった。ほかに『争うは本意ならねど』(集英社)、『徳は孤ならず』(小学館)など著書多数。ランコ・ポポヴィッチの半生を描いた『コソボ 苦闘する親米国家』(集英社インターナショナル)が2023年1月26日に刊行された。

【画像】Jリーグ愛が深すぎる! 三谷紬アナウンサーフォトギャラリー

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る