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サッカー日本代表にも参考になるブライトンの布陣変更失敗 三笘薫は多彩なプレーで存在感 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【優勢だった前半の三笘】

 開始7分の1対1では三笘が内を突いたところを引っかけられるが、続く20分のシーンでは、エストゥピニャンとのコンビネーションで打開を図った。そのラストパスを三笘はシュートに持ち込んだが、最後の瞬間、セメドに足を出されCKに逃れられた。

 直後の前半22分には正面から。三笘はヤシン・アヤリ(スウェーデン代表)からボールを引き取るとドリブルで前進して持ち込み、際どいシュートを放っている。前半32分のシーンは、セメドがこの日、初めて高い位置に進出、シュートに持ち込んだ直後だった。その状況を把握したジョルジニオ・ルター(U-21フランス代表)は、その背後を突くパスを三笘に送った。

 三笘が狙ったのは縦抜けで、抜ききらないうちに角度のないところからシュートを狙ったが、帰陣したセメドはこれを辛うじてブロック。CKに逃れた。

 前半43分には、この日2度目の攻め上がりを見せたセメドの背後を突いた。カルロス・バレバ(カメルーン代表)のミドルパスを受けた三笘はサイドを疾走。今度ばかりはセメドは戻りきれなかった。だが、切れ込みながら放った三笘のシュートはまたしても際どくコースを消され、CKに逃れられた。

 前半の終盤にかけて、三笘対セメドの構図は鮮明になった。

 試合が動いたのは前半45分。ルターのパスを受けたダニー・ウェルベック(元イングランド代表)が、今季通算6点目となるゴールを右足で鮮やかに叩き込み、ブライトンは試合をリードした。

 すると後半、ウルヴズは布陣を本来の4-3-3に変更。攻撃的なスタイルで反撃に出た。三笘が対峙する相手は、右WBから右SBに変わったセメドとなった。

 すると三笘の活躍する機会は前半に比べて減少。ウルヴズが押し返すような感じで、試合は終盤に差し掛かった。

 そこで魅せたのがウェルベックに代わって入ったエヴァン・ファーガソン(アイルランド代表)だった。後半40分、タリク・ランプティ(ガーナ代表)の右からのパスを中央で受けると、逆サイドに三笘がフリーで待ち構えていたにもかかわらず、強引に右足を振り抜いた。シュートは美しく強烈な弾道となってウルヴズゴールの左隅に飛び込んだ。三笘はファーガソンと両手でハイタッチ。笑顔で喜びを分かち合っていた。

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