EURO史上最高ランクの決勝戦 名勝負が続いた2008年、スペイン黄金時代が始まった (4ページ目)
EURO2008の会場で特筆すべきスタジアムは、スイス・バーゼルの街中にあるサンクト・ヤコブ・パークだ。ミュンヘンのアリアンツ・アレーナを彷彿とさせる外観にも目を奪われるが、高齢者用の福祉施設併設型というコンセプトにはそれ以上に驚かされた。
どちらかといえば田舎にあるものと相場が決まっている老人ホームや高齢者用住宅を、町の真ん中にあるスタジアムの内部に取り入れてしまう。日本では絶対に湧かない発想である。東京では近々、国立競技場が民営化されるとのことだが、世界に誇れるアイデアを詰め込んでほしいものである。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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