久保建英のレアル・ソシエダがエムバペを抑える心強いデータありとスペイン人記者 CLの大一番はどうなるか? (2ページ目)

  • ウナイ・バルベルデ・リコン●取材・文 text by Unai Valverde Ricón

【決していい状態ではない】

 そして、ついに久保とトラオレが今月6日にアウェーで開催された国王杯準決勝第1戦マジョルカ戦(0-0)で復帰した。ふたり揃って先発起用されたが、予想どおり代表戦参加と長距離移動が大きく影響し、パフォーマンスは完璧ではなかった。そんな状態の久保をイマノル監督がフル出場させたことは驚きだった。

 マジョルカ戦から中3日で行なわれたラ・リーガ第24節オサスナ戦、イマノル監督は何人かの選手をローテーションしたが、久保はまたもやフル出場となった。チャンピオンズリーグ(CL)のビックマッチが間近に迫るなかでのこの起用法には疑問が感じられ、さらに危険なものでもあった。

 久保は時間の経過とともにペースを掴み、持ち味を発揮していく。前半38分に巧みな駆け引きで相手を欺き、その背後に走り込んでイゴール・スベルディアから見事なボールを受け、右足でクロスを入れたが、アルセン・ザハリャンのシュートは枠外。さらにその3分後、ハビ・ガランのクロスが足元に来たので、左足で強烈なシュートを放つも、ニアポストでGKにファインセーブされた。

 後半に入ると相手を打ち負かすのがより困難になり、久保はハビ・ガランやザハリャンのクロスからゴールに迫ったが、あと一歩及ばず。アンテ・ブディミルのヘディングシュートが決勝点となり0-1で敗れた。

 ラ・レアルは公式戦ここ4試合勝利なく、6時間以上も無得点が続いている。決していい状態とは言えず、不安を感じたままパリに向かうことになった。

 CLラウンド16でのパリ・サンジェルマンとの一戦は、間違いなくクラブ史に残るビッグマッチで、ラ・レアルの皆にとっては待望の瞬間だ。

 そして久保にとっては今季デビューを飾ったばかりのCLで初めて経験するノックアウトステージであり、非常に大きな挑戦となる。アジアカップで失望を味わった直後に自身のキャリア最高の瞬間のひとつを迎えているが、彼はずっとこのような舞台を戦うため懸命に努力し、夢見てきた。

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