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メッシの目の前にある移籍の選択肢は4つか。そのなかでバルサ復帰が有力視される理由 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【ネックはサラリーキャップだが...】

 そして最後はバルセロナだ。メッシが本当に望んでいるのは古巣への帰還だろう。家族もバルセロナに帰ることを強く望んでいる。バルセロナのサポーターも一時期はメッシを恨んだが、今はまた彼を歓迎したい気持ちになっているし、ラ・ポルタ会長は彼を取り戻すためには何でもしたいと思っている。

 ただし、選手やチームの意向だけでは決められない。彼らの前にはサラリーキャップという高い壁が立ちはだかっているのだ。メッシが出ていった時から、バルサの経済状況は改善されてはいない。チームの財政を適正に保ちつつメッシの給料を払うには、何人もの高給取りの選手を手放す必要がある。ラフィーニャ、フェラン・トーレス、アンス・ファティ......実際そのうちの多くに移籍の噂が出ているし、セルヒオ・ブスケツにいたっては退団が決まっている。

 また、メッシ自身も年俸をかなり下げなければいけなくなるだろう。今のバルサは年俸1300万ユーロ(約19億5000万円)ぐらいしかメッシには払えないと言われている。メッシのPSGでの年俸は4000万ユーロ(約60億円)なので、かなりの減額だ。

 数日前、バルセロナはリーガ・エスパニョーラに今後の経営再建プランを提出した。そこに何が書かれているのかは知る由もない。だが、もしそれがメッシ込みのプランであり、リーガも納得いくものならば、メッシの帰還の可能性はずっと高くなる。バルセロナの経済面がクリアになるなら、実はリーガもメッシに戻ってきてほしいのだ。リーグはより活気づき、観客も増え、テレビ放映権も上がり、スポンサーも増えるに違いない。

 いずれにせよシーズンが終了するまで、メッシは何も言うことはできない。彼の代理人である父も、「お願いだから静かに見守ってほしい」と再三言っている。

 ただし、私はメッシがバルセロナに戻ると思っている。

 皆さんは南米人のメンタリティーをご存じだろうか。我々にとっては、慣れ親しんだ家と感じられるような場所にいることが何よりも大事なのだ。選手の場合、活躍をするには必要不可欠でもある。

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