旗手怜央がゴールやアシストが増えた理由を自己分析 「ちょっとした工夫で、見える景色やできるプレーは変わっていく」 (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

【「縦ではなく横」でボールを受ける】

 話題をそれ以前の試合に移すと、年が明けた2023年になってからは、2月1日のリビングストン戦で1アシスト、2月18日のアバディーン戦で2ゴールを記録した。また、2月11日のスコティッシュカップ、セント・ミレン戦でも2ゴールと、確実に目に見える数字を残すことができるようになっている。

 そこには前回のコラムでも触れた、アンジェ(・ポステコグルー)さんから言われた自分が成長するための課題、「ゴール前での質」を高めるために、自分なりに考え、工夫してきた成果がある。

 セルティックでは今季もキャプテンのマクレガーとともに中盤の底を務めているが、特にリーグ戦においては、自分が必要以上にビルドアップに参加せずとも、チームが機能するのではないかと感じた。その分、自分はより高いポジションを取り、ゴール前でのプレーに関わる回数を増やそうと考えた。

 また、その際、ポジショニングにこだわった。以前の自分はセンターバック(CB)から相手ゴールへの直線上でボールを受ける機会が多かったが、それだと相手のプレッシャーを回避するのは容易ではない。

 そのため、横にずれると表現すればいいだろうか。角度をつけてCBからパスを受けるように工夫をした。たとえば、相手ゴールを背にしてパスを受けると、180度回転しなければ前を向けない。でも、相手ゴールに対して横向きでパスを受けることができれば、90度回転すれば前を向ける。

 直線上でボールを受けると、相手DFのプレッシャーも強く、そのタイミングでボールを奪おうと狙われがちだったが、少し横にずれた位置でボールを受けることができれば、自分のほうがスピードも、アジリティもあるため、瞬間的に相手を剥がすことができた。

 さらにセルティックではSBが縦に行くのではなく、中に入ってくるため、自分がやや左サイドに開けば、パスを受けるスペースがあることにも気づいた。僕がポジショニングを工夫すれば、SBにプレーするスペースを与え、かつ自分自身もスペースでパスをもらいやすくなる。なおかつ、相手のマークも混乱する。まさに幾十も上乗せされる相乗効果を感じた。

 何より、セルティックに加入して2年目の今季、日に日に自分に対する相手のマークが厳しくなっていることを痛感していた。それだけに一瞬の動きが重要になる。そう考え、たどり着いた「縦ではなく横」でボールを受ける工夫だった。

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