メッシとエムバペの「怪物ぶり」がわかる2022年データ。W杯決勝を戦った新旧スターが共演すれば、ピッチで必ず何かが起こる (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by AFLO

【エムバペのオフはたった1日】

 年明け早々、フランスの『レキップ』紙ではふたりの特集を組み、あらゆる角度からメッシとエムバペを比較する記事を掲載した。そのなかで紹介されていた記録だけを見ても、ふたりの"怪物ぶり"がよくわかる。

 たとえばエムバペは、2022年(シーズンではない)に記録したリーグ・アンでのゴール数は32で、アシストは11。チャンピオンズリーグ(CL)では9ゴール3アシストを叩き出したほか、クープ・ドゥ・フランスで3ゴール。フランス代表としてもW杯で決めた8ゴールを含めて12ゴール3アシスト(W杯では2アシスト)と、公式戦では年間56ゴール17アシストを記録したことになる。

 ちなみにエムバペの公式戦年間56ゴールは、46ゴールの2位アーリング・ハーランド(ドルトムント→マンチェスター・シティ)を10ゴールも上回り、ヨーロッパ最多得点記録となった。

 一方のメッシも、リーグ・アンで12ゴール20アシスト、CLでは4ゴール4アシストを記録(クープ・ドゥ・フランスでのゴールとアシストはなし)。アルゼンチン代表ではW杯の7ゴール3アシストを含めて18ゴール6アシストを量産し、2022年の公式戦のトータルでは34ゴール30アシストを記録した。

 つまり、年間51試合に出場したメッシは、69分毎にゴールに直接関与したことになり、一方、年間56試合に出場したエムバペも64分毎にゴールかアシストを記録。そんなふたりが一緒にプレーすれば、毎試合ピッチで何が起こるのかは想像に難くない。

 とりわけ驚かされたのは、W杯後のエムバペだ。

 今シーズンのリーグ・アンは、W杯の中断期間を終え、決勝戦からわずか10日後にリーグ戦が再開した。だが、なんとエムバペはPK戦までもつれ込んだ決勝戦の3日後にはPSGのトレーニングに合流。カタールからの移動と決勝翌日の凱旋セレモニーも含めると、たったの1日しかオフをとらなかったのである。

 PSGを率いるクリストフ・ガルティエ監督は、W杯に出場した選手には敗退から10日間のオフを与えていたが、故キング・ペレの後継者とされる"フランスの怪物"には、休暇は不要だったようだ。

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