鎌田大地、PKで相手GKにニヤリ。フランクフルトがCL史上稀な混戦を制した理由 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 その直前、マルセイユ対スパーズ戦では、スパーズが同点に追いついていたため、4チームはこの時、1位スパーズ(9)、2位スポルティング(8)、3位フランクフルト(8)、4位マルセイユ(7)の順となった。

 フランクフルトは依然として"敗退サイド"に位置していた。繰り返すが、CLでここまでの混戦は記憶にない。

 決勝ゴールが生まれたのは後半27分で、決めたのはフランス代表FWランダル・コロ・ムアニだった。右サイドを強引に突破すると、マーカーを振り切り、強烈なシュートを蹴り込んだ。9月に行なわれた国際試合のオーストラリア戦で、キリアン・エムバペと交代して代表デビューを飾った気鋭のストライカー。フランス代表の層の厚さを再認識させられる一撃でもあった。

 ヴェロドロームの一戦は、スパーズが後半のアディショナルタイムにゴールを奪い逆転に成功。D組は最終的に1位スパーズ(11)、2位フランクフルト(10)、3位スポルティング(7)、4位マルセイユ(6)となった。

 上質なミステリーとはこのことである。2位と3位を分けた"キモ"を挙げるならば、フランクフルトには鎌田がいて、スポルティングには守田がいなかった――となる。あながち日本人贔屓の安直な結論とは言いきれないはずだ。

 さて、スパーズ戦で負った守田の故障はどれほどなのか。W杯本大会に向け、不安を覚えながらの幕切れでもあった。

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