旗手怜央は鎌田大地、守田英正より意外性あり。CLでの日本代表5人を採点する (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by REX/AFLO

プレーに粘りがある旗手

 3人の日本人選手を擁するセルティックは、ポーランドのワルシャワで、シャフタール・ドネツクと対戦した。初戦のレアル・マドリード戦を0-3で落としたセルティックに対し、シャフタールはライプチヒに対し1-4で圧勝していた。舞台はワルシャワという代替地ながら、セルティックにとっては負けられないアウェー戦だった。

 セルティックの日本人3人衆の中で先発を飾ったのは、古橋亨梧と旗手怜央で、活躍が目立ったのは旗手だった。4-3-3の左インサイドハーフ。4-2-3-1の守備的MFにも見える瞬間があったので、その中間的な、まさしくセントラルMFとしてプレーした。守田、さらには途中まで旗手に近い守備的MFでプレーした鎌田と比較せずにはいられなかった。

 旗手は、代表スタメンに近い2人より意外性があった。面白い存在だった。欧州の舞台であまり見かけたことがない新鮮さがあった。採点をするならやはり7だ。

 接近戦に強く、プレーに粘りがある。相手が飛び込んでいきにくい独得のリズム感があるのだ。前半11分には神出鬼没ぶりを発揮した。

 ドリブルでライン際を前進する左ウイング、セアド・ハクシャバノヒビッチの内側を旗手はインナーラップ。ゴールエリアの左隅でボールを受けると、左足でゴールに流し込んだ。旗手と表示された得点者だったが、ほどなくするとUEFAは、シャフタールDF のオウンゴールと訂正した。前日VARで取り消された鎌田のプレーを想起したが、こちらは正真正銘のゴールである。

 試合は壮絶なる撃ち合いとなった。立ち上がりから両者が利かせたハイプレスがその原因で、攻撃的サッカーの真髄を見るかのような一戦だった。

 前半29分、シャフタールの左ウイング、ミハイロ・ムドリクが決めた左足シュートは、お見事と言うほかない一撃だった。ウクライナ代表の21歳は、今後が楽しみな選手である。

 古橋は不発に終わった。4-3-3を敷く日本代表で1トップを張ったときと同種の傾向を露呈させた。スピード系なので時間を稼ぐことができないのだ。プレッシングには向いているが、マイボールになった時、周囲との距離の遠さが目立ってしまう。採点するならば5だ。

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