旗手怜央は鎌田大地、守田英正より意外性あり。CLでの日本代表5人を採点する (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by REX/AFLO

たて続けに決定機を演出した鎌田

 それはともかく、鎌田がより光るプレーを見せたのは、マリオ・ゲッツェに代わり、チームの中心選手セバスティアン・ローデが投入された後半26分以降になる。これを機に3-4-2-1の2の左に入ると、持ち前の攻撃力を発揮する。

 後半33分、長谷部から出た絶好のパスをトラップミスしたプレーはご愛敬としても、その2分後、1トップ、ランダル・コロ・ムアニが放った決定的なシュートを、鎌田は見事なドリブルからお膳立てしている。ハーフウェーラインを過ぎたあたりからスルスルとドリブルで30メートル前進。ふたりのディフェンダーを置き去りにして送ったその右足アウトのラストパスは、CLの舞台においても一級品と言いたくなるワンプレーだった。

 後半34分にはシュートも決めている。アンスガー・クナウフの縦パスを受けドリブルで独走。GKの動きをよく見て左隅に蹴り込むシュートも、安心して眺められたものだ。VARの結果、わずかにオフサイドとなりゴールは取り消されたが、鎌田の評価がそれで下がることはなかった。

 その2分後のプレーもしかり。コロ・ムアニから決定的なパスを受けると、右足のインサイドでパンチの利いたシュートを放った。GKの好セーブでまたしてもゴールとはならなかったが、終盤、たて続けに決定機を演出するプレーには、頼もしさを覚えずにはいられない。

 気になるのは布陣との相性だ。3-4-2-1の2の左は、相手ボール時には5-4-1の4の左になる。4-2-3-1の3の左でプレーした前戦でも露呈したが、鎌田の適性はサイドにはない。南野拓実とほぼ同タイプになる。4-2-3-1の1トップ下がベストポジションで、適性という点では、この日、後半31分までプレーした守備的MFのほうが、4-2-3-1の3の左より大きく勝ると筆者はみる。大迫不在の代表では1トップでも十分、通用するはずである。バリバリのセンタープレーヤー。鎌田をひと言でいえばそうなる。採点するならば7となる。

 勝利したのはフランクフルトで、前半43分、イェスパー・リンドストロームのゴールが決勝弾となった。グループDの2節までの順位は以下の通り、1位スポルティング(勝ち点6)、2位スパーズ(3)、3位フランクフルト(3)、4位マルセイユ(0)。2位と3位は得失差による。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る