板倉滉がボルシアMGで求められる役割とは? ファルケ新監督は「CBとボランチ、一番いいポジションで起用する」 (2ページ目)

  • 鈴木智貴●取材・文 text by Suzuki Toshiki
  • photo by Getty Images

 加えて最終ラインの主軸だったドイツ代表マティアス・ギンターがこの夏チームを去り、古巣フライブルクへ。スイス代表ニコ・エルヴェディ、マーヴィン・フリードリヒ、ジョーダン・バイヤーなどはいるものの、中央の守備的ポジションを任せられる優秀な人材の確保はクラブの最優先事項だった。

 それゆえ、板倉に対するクラブ幹部の期待も大きく、ファルケ監督はビルト紙に対してこのように話している。

「すばらしい個性を持ち、そしていい年齢(25歳)にある。シャルケではリーダー的役目を担っていたし、多くのポジションを務めるポリバレントな選手。CBとボランチのどちらで起用するかについてはまだ決めていないが、チームにとって一番いいポジションで彼を起用するつもりだ。慣れるまでの時間を彼に与えるつもりだし、彼ならやってくれるに違いない」

 また、自身の標榜するサッカーについては、「勇気を持ち、アグレッシブなチームをファンは見たがっている。勇気を持ってプレーするのならば、ミスは仕方がないこと」とも言及している。

 よって、昨季は横や後ろへの弱気なパスが多かったボランチのクリストフ・クラマーやフロリアン・ノイハウスらはプレースタイルを改める必要があるだろう。対して、鋭い縦パスを入れるチャンスを常にうかがい、時に自らボールを持ち運んではゴールまで決めてしまう板倉の存在は、ファルケ監督が描くボランチ像にマッチする。

 なお、板倉同様、ファルケ新監督にとってもブンデスリーガ1部は初めての舞台だ。

 その指導者キャリアをさかのぼると、ドルトムントのセカンドチームから2017年にイングランドに渡り、ノリッジ・シティで4年以上指揮を揮った。その後、今年初めにクラスノダールで指揮官に就任したが、2カ月未満でロシアでの生活は終焉を迎えている。

 これだけを見ると、今季のボルシアMGの行方にやや不安を感じるファンもいるかもしれない。しかしファルケ監督の下、ノリッジ・シティで公式戦119試合に出場したドイツ人MFマルコ・シュティーペルマンはボルシアMGの選択について太鼓判を押す。

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