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【旗手怜央・新連載】「試合中なのに頭のなかが真っ白」。2得点と大活躍した観客6万人のダービーを語る (2ページ目)

  • text by Harada Daisuke
  • photo by Getty Images

結果を求められている

 川崎フロンターレでプレーしているときから、目に見える結果は意識していたけど、セルティックに加入してからは、より結果に注力し、そこを求められているとも感じている。

 アンジェ・ポステコグルー監督からは、相手が密集しているピッチ中央でプレーしてほしいと強く言われているし、サイドバックが中に入ってくるときには、その状況で自分がフリーになれるポジションやスペースを見つけてほしいとも言われている。また、チームが採用している4-3-3システムにおいて、ウイングを務める選手とポジションが重ならないように意識してほしいとも言われている。

 そのため、セルティックに加入してからは、より相手を見るようになり、徐々にスペースを見つける作業が速くなってきたと感じている。スペースに入るタイミングが少しでも悪ければボールをもらえず、タイミングが合わなければチームメートとポジションが被ってしまうことも多いからだ。

 レンジャーズ戦の42分に決めた2点目は、まさにスペースを見つける速さによって生まれたゴールだったと思っている。あの場面、チームは逆サイド(右)で攻撃を作っていたが、自分は全く関係ないところからスーッと中に入っていった。

 なぜなら、そこが最も自分がフリーになれる場所だったから。走り込みながらチームメートにパスを要求すると、ボールを受けて僕は右足を振り抜いた。

 また、このゴールにはヨーロッパでプレーするようになってからの変化も加味されていると思えた。以前はどうしても成功するプレー、すなわち確率をもとにプレーを選択していた。

 例えば、これは本当に一例だけど、川崎フロンターレにいたときならば、(小林)悠さんの「出せ!」という声が聞こえてくる。その言葉と状況が理解できるから、自分がシュートを打つよりも、悠さんに出したほうが、点が決まる確率が高ければ、自ずとパスを選択していた。

 ところが、セルティックでは、今の自分の語学力ではチームメートが何かを言っていたとしても試合のなかでは瞬時に判断できない。聞き取れる単語や言葉はあるものの、すべてを正確に理解できないのであれば、開き直ってプレーを選択することができる。

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