『鬼滅の刃』の産屋敷耀哉は、サッカークラブの理想のオーナー像である

『鬼滅の刃』視点でサッカーを語り合う 第3回

 サッカーの試合実況で日本随一のキャリアを持つ倉敷保雄、サッカージャーナリスト、サッカー中継の解説者として長年フットボールシーンを取材しつづける中山淳、スペインでの取材経験を活かし、現地情報、試合分析に定評のある小澤一郎――。普段は欧州チャンピオンズリーグ(CL)を論じる3人が、大人気漫画『鬼滅の刃』とサッカーの深い関係性について語ります。

『鬼滅の刃』から見るサッカー界のオーナーとは『鬼滅の刃』から見るサッカー界のオーナーとは<産屋敷耀哉に近い!? サッカー界のオーナーとは>

倉敷 少々マニアックですが、今回は、鬼殺隊をひとつの組織として見た場合に感じる、サッカー界との類似性をテーマにしてみようと思います。欧州サッカークラブの組織にはフロントのトップにオーナーやパトロンがいるわけですが、『鬼滅の刃』においては鬼を討伐するためのチームが鬼殺隊、そのパトロンが産屋敷一族で、鬼殺隊を統括する最高管理者、オーナーが「お館様」こと産屋敷耀哉というわけです。

 おそらく産屋敷家は平安時代から存在していた公家の末裔と思われますから、世界最古のクラブより伝統があります。ちなみにその最古であるシェフィールド FCが創設されたのは、ペリーが来て「開国しなさい!」と日本に圧力をかけていた頃の時代ですね。

 古の昔より特殊な先見の明を持って財を成した産屋敷家は、鬼殺隊を財政面でも支えていました。鬼殺隊97代目当主である産屋敷耀哉は組織のリーダーとしていくつもの高い能力を兼ね備えています。個性派揃いの柱をひとつにまとめ、戦術に長け、人を動かす特別な言葉も持っている人物です。

 これから原作を読まれる方やアニメの続編を待ち焦がれている方にはぜひ、お館様のモチベーターとしての能力が驚くほど高く、そこにもサッカー的な匂いを感じるところに気付いてもらいたいです。さて、サッカー界で産屋敷耀哉に近い人物がいるとしたら、おふたりは誰の顔を思い浮かべますか?

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