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久保建英が4戦連続で先発を
外れた理由。不振でも限界でもない (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 しかし、チームの苦境は久保を圧迫した。

 年明けのアウェーのグラナダ戦、チームは1-0で敗れ、初めて降格圏に転落。尻に火が付いた。試合自体は優勢に進めていたが、ゴールを決め切れず、一瞬のスキを突かれて沈んだ。

 そのグラナダ戦でも、久保は右サイドを中心に躍動していた。攻撃をけん引し、何回かゴールチャンスを作っている。自らドリブルで割って入るなどして、アディショナルタイムにはエリア内で決定機をつかみ、際どいシュートを放った。

 しかし、負ければ"賊軍"となる。久保は戦犯にされた格好だ。

 翌節のバレンシア戦、マジョルカは4-4-2の"堅守カウンタースタイル"で戦った。ボールプレーをかなぐり捨てたが、効率的な攻撃を披露。相手に退場者が出たこともあって、4-1と大勝を収めた。

 これはひとつの形になったわけだが、その後は力負けで3連敗。最下位のエスパニョールにも敗れたことで、勝ち点で追いつかれてしまった。チームの目標は降格回避だが、ジワジワと土俵際に追い込まれている。

 もしマジョルカが攻め手のあるチームだったら、久保は欠かせない存在だろう。個人技だけでなく、コンビネーションを用い、相手に打撃を加えられる。来季、移籍の噂があるレアル・ソシエダなどは、理想的なチームと言える。しかし守備一辺倒でカウンターにすがる状況だと、単純な強さ、速さ、高さが要求され、久保はファーストチョイスにはならない。

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