リーグ・アン後半戦、不気味なモナコ。屈指の破壊力で台風の目となる (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images



 1試合消化が少ないなか、レンヌはマルセイユと5ポイント差の3位につけている。躍進最大のキーマンは、フランス代表でディディエ・デシャン監督の右腕を務めるギー・ステファンの息子、ジュリアン・ステファン監督だ。将来を嘱望される39歳の青年監督は、昨季は決勝でPSGを破ってフランスカップを獲得。今季も堅守をベースにチームを着実に成長させている。

 大ブレイクを果たした17歳の天才MFエドゥアルド・カマヴィンガがさらなる進化を遂げ、チーム内得点王のエムベイェ・ニアンがゴールを量産すれば、悲願のCL出場権獲得も夢ではない。

 一方、2位を7ポイント差で追う昨シーズン2位のリールも、前半戦最後の試合で黒星を喫したものの、それまでに4連勝したことで息を吹き返した印象だ。その4連勝のうち3試合が1−0の勝利と、クリストフ・ガルティエ監督が率いるチームらしい堅守を取り戻している点が明るい兆しといえる。

 また、本来の調子を取り戻しつつある新戦力のレナト・サンチェスが好調を持続し、チームを去ったニコラ・ペペ(現アーセナル)に代わる得点源として迎え入れたヴィクター・オシメンがこのままゴールを量産すれば、攻撃面の不安も解消されるはず。戦力的にはマルセイユとレンヌを上回るだけに、PSGをのぞくCL出場権獲得レースでは本命と見ていいだろう。

 そして不気味なのが、2位と10ポイント差の7位にいるモナコだ。4戦無敗でシーズンを折り返しながら、監督交代に踏み切ったフロントの決断が吉と出るか凶と出るかが最大の見どころとなる。

 前任者のレオナルド・ジャルディムは、シーズン途中から3バックを採用してチームを復調させた経緯がある。それだけに、4−4−2を採用することが予想されるロベルト・モレーノ新監督が新たな戦術を浸透させることができれば、3位以上に食い込む可能性は否定できない。

 とくに、13ゴールをマークして得点ランキングトップに立つウィサム・ベン・イェデルと、8アシストでランキングトップタイを走るイスラム・スリマニの2トップコンビはリーグ屈指の破壊力。新指揮官には彼らふたりを最大限に生かすチーム作りが求められる。

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